残業を減らしたい、と相談をいただくとき、最初にお願いするのは「1週間、手を止めて数えてください」ということです。改善策より先に、いま何にどれだけ時間を使っているかを見えるようにする。これを業務棚卸しと呼んでいます。
手順1: 業務を「動詞」で書き出す
「受注処理」のような名詞ではなく、「FAXを見る」「Excelに入力する」「基幹システムに再入力する」と動詞で分けます。ここで初めて、同じ情報を二度打っている箇所が見えてきます。
- 1人あたり20〜40個くらい出てくれば十分です
- 「たまにやること」も忘れず入れる(月末・年度末の作業)
- 正確さより、漏れがないことを優先
手順2: 1週間、回数と時間を記録する
紙でもスマホのメモでも構いません。「何を」「何回」「合計何分」だけ。ある製造業のお客さまでは、受注入力の二重作業が週10時間になっていることが、この1週間で初めて数字になりました。
手順3: 「なくす・減らす・移す」で仕分ける
- なくす: 誰も見ていない日報、二重の確認印
- 減らす: 回数を週1にまとめる、テンプレートを作る
- 移す: 人がやらなくていい入力は、フォームや連携に
棚卸しの結果は、A4一枚にまとめて社長と現場の両方に見せます。ここで「意外だった」という声が出れば、改善は半分成功したようなものです。
道具を入れる前に、数える。順番を守るだけで、失敗の多くは避けられます。